連続場の複素TDGL方程式

連結複素TDGL方程式を一次元に連結し,連続化すると,一般に
1次元複素TDGL方程式
と書かれる偏微分方程式が得られます.

以下の図はpgplotを利用したCプログラムによるものです。(2001)

pythonスクリプトも作ってみました。(2018) (こちら)

c1=0の場合について見てみましょう.この方程式は,励起の役割を 果たす1次の項と,散逸の役割を果たす3次があり,それに拡散項をつけたものです.係数の虚数部 (c0とc2)により開放系らしい振動が現れます.

  1. ある周期をもった振動部分が原点から湧き出し,空間的に一様な振動状態 を侵食していきます.原点のWを固定し,右端をフリーにしておくとこのよう な現象が見られます.

    1次元の320個の格子点のモデルで,右端を固定,左端はフリーという境 界条件,初期パターンは,W(0,0)=0.2, W(i,0)=0.0 (i≠0)として動かす と,
    スナップショット
    のように振動部分が左から拡大していきます.

    プログラム例はこれ,Linux用バイナリは これです.

    プログラムを動かせない人のために,mpeg形式の動画をつくってみました. xanim等のmpegビューワがあれば見られます. (1次元ですから,計算しながら描画したほうが速いのですが...)

  2. 両端を固定すると,両端から振動相が拡大していき,波の先端はぶつかっ たところで消滅します.結果として定常的なパターンが出来上がります.(お互 いに無干渉である線形の波とはまったく違うことに注意してみてください.)

    下の図のように,両側から波が発生していき
    両固定端の波
    ぶつかったところで波は干渉し打ち消しあっているように見えます.
    両固定端の定常パターン

    プログラム例はこれ,Linux用バイナリは これです.

    mpeg動画はこちらです.

  3. 複雑なパターン

    説明は授業で行いますが,この方程式の一様振動解の安定性を調べると,

    Benjamin-Feir不安定性
    のとき不安定であることがわかります.これをBenjamin-Feir不安定性と呼びます.

    周期的境界条件にして,W<<0のランダムな微少揺ぎからから生ずる パターンを調べてみましょう.

    パターンの特徴をとらえるために,ここでは振幅|W|の大きさを濃淡で表し, その時間変化を横軸に書いていってみます.

    1. 孤立進行波的なパターン
      孤立波的といっても|W|をみるとそう見えるのであって位相の方はべ つの様相を示しますし,完全な孤立波ではなく寿命の長い「でこぼこ」 だというだけで,徐々に消滅していきます.
    2. BF不安定な「進行波」
    3. BF安定な領域における時空間歇パターン
    4. BF不安定な領域における時空乱流パターン
    5. BF不安定な領域における時空乱流パターン 2